追悼の桜、シュルレアリスム宣言100周年、カナレットの展覧会
こんにちは。やっと暖かくなって桜の花が開いてきました。
御朱印集めに凝り出した友人が京都に行きたい、そして桜も見れたら!と誘ってくれて日程を決めていたのですが、先週は大雨で断念。今週もまた雨予報・・・来週に延期になりました(笑)
来週はどうなるのだろう。
イギリスに住む妹からこんな写真が送られてきました。
コロナ禍で亡くなった人々の追悼の気持ちが込めて植樹された、白妙という桜の木です。
植えられているのは、タウンリーホール (Townely Hall)の庭園。
タウンリー・ホールは、イギリスのランカシャー州バーンリーにある、タウンリー家が400年以上にわたって所有してきた邸宅と領地。(現在はバーンリー市の管轄)
数年後にはもっと大きくなって、美しい桜の花が訪れた人の心を和ませるのかなと考えるとちょっと嬉しくなりました。
昨年10月に私も訪問したのですが、タウンリーホールは現在大改造工事中。昨年も一部しか見ることができなかったんです。
膨大なコレクションを持っており、古代エジプトやペルーの陶器、古代エジプトの石棺、地元の考古学コレクション、300点の水彩画、500以上の版画と本のイラスト、歴史オブジェクトや自然史コレクションなど。ほんの一部しか見れなかったのですがその凄さは伝わってきました。
私は特に絵画コレクションにも驚きました。あーこの絵の持ち主がここの当主だったのか!という発見があって。この人物、膨大なコレクションを大英博物館に寄贈もしていて。こちらも少しづつ記事にしています。
ところで、タウンリー・ホールの改修完了にはまだ一年以上はかかるのでは?ということらしいので、その時はぜひ行きたいと思ってます。
シュルレアリスム宣言100年、ダリ生誕120年
今年は、シュルレアリスム宣言100年、サルバドール・ダリ(1904-1989)生誕120年の記念の年。
シュルレアリスム作品にどんなイメージを持っていますか?
私は、夢や無意識の世界を探究するような、現実を超えた幻想的で神秘的なイメージがあります。
夢のような風景、不条理な組み合わせ、変形したオブジェクト、内面世界の探求や私的なテキストなど、予想不可能でちょっと理解が難しい世界です。
ちょっとここで100年前に振り返ると、このシュルレアリスムはフロイトの精神分析から始まり、「ダダ」という芸術運動に関わっていた詩人アンドレ・ブルトンが、1924年10月「シュルレアリスム革命」という雑誌を出版し、そこに掲載したのが「シュルレアリスム宣言」(超現実主義宣言)がもとになっています。
ブルトンは、フロイトの精神分析学と無意識の概念に強く影響を受けていて、夢や自動記述を通じて私たちの無意識フィールドにアクセスすることで、創造的な表現を促進する方法を提唱したのです。無意識の力を使うことで、意識的には解釈できない深い現実を探求することが可能だと。
それは、芸術家や作家が内面に潜む恐れや欲望、夢想を探ることを可能にして、作品に昇華することを目指したわけです。
なんだかとっても理屈ぽいというか、すごく思考的・・・
そんなシュルレアリスム宣言が出されて今年は100周年。代表的な画家の1人ダリも生誕120周年です。
日本にあるダリの美術館の諸橋近代美術館でも、節目の年に当たって、展覧会を開催するそうです。
美術館の説明によると
サルバドール・ダリ(1904-1989)生誕120周年、シュルレアリスム宣言100年の記念すべき節目に開催する本展は、世界屈指のダリ・コレクションを形成する当館の所蔵品を中心にダリの生涯を概観し、ダリの渡米以降の活動に注目します。ダリが私たち観衆に魅せた「シュルレアリスト・ダリ」とその背景にある「人間・ダリ」の複雑で繊細な内面を探り、世界中で愛されているダリがいかなる芸術家であったのか、ダリの油彩、素描、版画、彫刻のほか、ミロやマグリットなどシュルレアリスムの作家の作品などから、ダリの多様な側面を明らかにいたします。
生誕120周年 サルバドール・ダリー天才の秘密ー
2024年4月20日(土)~9月1日(日)
5月15日(第3水曜日)、 7月10日(第2水曜日)は展示替えのため休館
9:30〜17:00(最終入館は16:30まで)
諸橋近代美術館/福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字剣ヶ峯1093番23
この美術館建物もすごくて前から行ってみたいと思っているのですが、今年は行ってみよう!と考えています。
そんなシュルレアリストたちに影響を与えた、ジョルジョ・デ・キリコの大型展も間もなくスタートですね!!
彼の絵の中のとても奇妙な世界は、どうなっているのだろう?どこが気持ち悪いのだろう?なんでそう思うのかな?とぐるぐる考えさせられて、いつもジーと見ていたくなります。
キリコは、思考・物の考え方を絵に落とし込むという、ニーチェの思想に導かれ形而上絵画(けいじじょうかいが)を誕生させたのです。
いやいや哲学的すぎて言葉にするのが難しい・・・
でもそんな記念年ということで、美術館に行くだけでなく、フロイトやニーチェにも触れて向き合ってみようと思います。
「デ・キリコ展」
2024年4月27日〜8月29日 東京都美術館
2024年9月14日〜12月8日 神戸市立美術館
ブログ更新など
今年必ず見たい展覧会の一つが「カナレットとヴェネツィアの輝き」展。7月からスタートなので、2点の作品以外はまだ情報が出てこず、まだかまだかとネット検索をしてジリジリしています。
▼ブログ更新しました。
カナレットの「サンマルコ広場」【365日絵のなかで旅をする】
ヴェネツィアの画家カナレット(本名ジョヴァンニ・アントニオ・カナル)が描いた、ヴェネツィアの心臓部サン・マルコ広場。サンマルコ広場はゴシックとルネサンス、ビザンチンの建築が揃った時間を超えた交流の舞台で、ヴェネツィア共和国の栄光と力、海との深いつながりを象徴した場所。
彼はこの広場をたくさん描いているのですが、この絵はその一枚。(こちらの絵は展覧会に登場する絵ではありません)
記事ではカナレットの絵をイギリス人旅行者に売り込んでいた人物について書いています!
カナレット展までに、彼の人生や作品についてももっと書いていきます!
「カナレットとヴェネツィアの輝き」 2024年1月号芸術新潮より抜粋しています
2024年7月27日〜9月29日 静岡県立美術館
2024年10月12日〜12月29日 東京・SAMPO美術館
2025年2月15日〜4月13日 京都文化博物館
2025年4月24日〜6月22日 山口県立美術館
▼standfm アートトーク、絵のなかで旅をするを配信しました。
今週も良い1週間をお過ごしください!
この記事を良いと思っていただけたら、シェアしてもらえると嬉しいです。